小児アレルギー科

小児アレルギー専門外来について

小児アレルギー専門外来は完全予約制で診療しております。診療時間を長めに設けて対応していますが。初めての方は一度、一般診察にご予約をお願い致します。院長の判断で専門外来への予約を取らせていただきます。お子さんのアレルギー、またはアトピーの診断は、すぐにできるものではありません。それまでの経過(例えば「○○を食べたら湿疹がひどくなった・・・」など)がとても重要です。アレルギー診断確定のための皮膚テストなども行っています。管理栄養士による食物アレルギー児の栄養指導を並行しておこなっています。


食物アレルギー経口負荷試験について

アレルギーが疑われる食品を単回、または複数回に分けて摂取させて症状の有無を確認する検査です。
食物アレルギー経口負荷試験の目的は主に3つです。

1.原因アレルゲンの診断を確定する
2.どこまで耐性が獲得できているかを評価し、安全に摂取できる量を決める
3.誤食時の誘発症状を把握し、お子さんごとのアクションプランを確立する

食物アレルギーの診療は、「経口免疫寛容」と「経皮感作」という2つの科学的な知見が出てきたことで10年ほど前より大きくかわってきています。
新しいガイドラインではお子さんの年齢や重症度によって、1食分の食事量に満たない場合でも積極的にたべさせてゆく方針が示されています。
アレルギーがあっても、なるべく早めに少量でもよいので、安全と決められた量をたべさせてゆくことが、治癒を目指した標準的な指導となってきています。

詳細につきましてはコチラをご覧ください


生活管理指導表について

お子さんの集団生活におけるアレルギー対策の指針となるよう、厚生労働省と文部科学省がアレルギー対応のガイドラインと生活管理指導表を作成しています。

集団生活で特別な配慮が必要な場合、生活管理指導表の提出が必須となります。

小・中学校向けが「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」、保育園向けが「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」となり、食物アレルギー、アナフィラキシー(食物以外の原因)、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎のそれぞれの疾患に対し診療を行っている医師に記入してもらい学校や園に提出します。

2012年に東京都調布市の学校給食で5年生の児童が誤食によるアナフィラキシー事故で死亡するという痛ましい事故が発生しました。

その後、2015年に作成された文科省による「学校給食における食物アレルギー対応指針」では安全確保を最優先として、二者択一の対応(提供するかしないか)を強くうちだし、施設設備・人員等を鑑みて無理な(過度に複雑な)対応をしないことを原則としています。

乳幼児期に発症した食物アレルギーは、お子さんの成長とともに耐性を獲得してゆくことが多い疾患ですが、アレルギーの重症度が異なる児童生徒ごとに細やかな給食対応を求めることは、教育現場の大きな負担となり、安心・安全な給食時間の確保に支障をきたします。

豊田市でも対応指針に従い、十分な量を安全に食べられる実績がない児童にはアレルゲン(原因食物)の無配善対応と代替品(弁当)の持参を保護者協力のもと進めてゆく方針となりました。

一方、指針に明記されている「食物アレルギーのある児童生徒にも安全に給食を提供する」に従い、一定基準の耐性を獲得できた子どもには、給食を提供することができないか?と、見直しをすることも食育をすすめてゆく上で必要です。

豊田市の学校給食対応は、食物アレルギーの診断があるお子さんでも、一定の量がたべられるようになった場合や提供される料理の調理条件を考慮して、医師の診断のもとに、鶏卵、牛乳、果物・野菜については、給食提供を認めてゆく基準を設け、管理指導表に対応が記載された場合、特例対応として提供することとしています。

このような見直しは、特に低学年児童では、少なくとも年に1回は必要であると考えます。

なるせこどもアレルギークリニックでは学校生活管理指導表の記入と経口負荷試験を毎週水曜日の午前診に行っております。保育所・幼稚園・小学校の先生と共有すべきことや給食のこと、緊急時の対応についてなど、わからないことや不安なことは、何でもお気軽にご相談ください。管理指導表の記載と経口負荷試験は事前予約となりますので診察時に申し出てください。


管理栄養士による栄養相談

当院では小児アレルギーエデュケーター資格を持つ管理栄養士が栄養相談を行っています。
小児アレルギーエデュケーターは、日本小児臨床アレルギー学会の認定資格で、高度なアレルギーの専門知識と指導技術をもったコメディカルスタッフを対象とした資格です。食物アレルギーのほか、育児全般の相談にのってくれる頼もしい新米ママの味方です。
主に以下のような相談が受けられます。

    ・除去食を必要とする離乳食指導
    ・アレルギー用ミルクに関する指導
    ・カルシウム・鉄摂取指導
    ・栄養バランス・調理の基本手技
    ・除去食に伴う代替食指導
    ・アレルギー食品表示の見かた

そのほか、離乳食を食べてくれない・野菜が嫌い・体重の増えが心配等の相談ものってくれます。